2019年11月17日の大相撲で、とても珍しい決まり手が飛び出しました!
その名も『三所攻め』!
小兵力士として人気の石浦が、どっしりとした腰の重さと馬力の強さが自慢の錦木相手に決めました。
三所攻めという珍しい決まり手は、平成5年に舞の海が巴富士相手に放って以来、実に26年ぶりのレアケースとのこと。
どんな取組だった?
立会いはほぼ互角。
ゴツンと頭でぶつかり合います。
その後、低い体勢で中に入ろうとする石浦に対し、錦木はじっくりと様子を見る展開に。
石浦は、相手の力を利用して左にいなし、 勢い余って土俵の外に出そうになった錦木をさらに責め立てます。
中に入った石浦は、そのまま三所攻めで勝ちました。
(勝負が決まった瞬間、解説者は『外掛け』という決まり手を口にしていました。)
三所攻めとは?
三所攻めとは、文字通り三箇所を同時に責める決まり手です。
錦木を土俵際まで追い込んだ石浦は、右手で相手の左太ももを、左腕で胸を、左足で外掛けの姿勢を取り、見事に三所攻めという珍しい決まり手を演じて見せました。
この決まり手を生み出した石浦は、控え室に帰るなり、たくさんの報道陣から囲まれました。
それくらい珍しい決まり手だったということです。
報道陣に囲まれた石浦は、映像は出ませんでしたが、コメントは解説者を通じて放送されました。
「珍しい決まり手が出たのは嬉しいですが、すぐに炎鵬がやるかもしれませんよ」
(ちなみに11月17日の炎鵬は、豊山との一番に負けています。)
舞の海と解説者のコメント
この取り組みを見て、解説者(藤井康生)と舞の海は、以下のような解説をしていました。
解説者「力士は珍しい決まり手のために相撲取ってるわけではないのですが、こういった珍しい決まり手が出ると、お客さんは喜びますよね」
舞の海「4m55cmという土俵の中で何かしようとすると、こういった珍しい決まり手が出ますよね」
石浦と舞の海の三所攻めの違い!
同じ三所攻めでも、石浦が決めた三所攻めと、舞の海が決めた三所攻めでは、少しだけ違った部分があります。
両腕は相手の太ももと上半身を攻めているのですが、足の使い方が違うのです。
石浦は錦木に対し、相手の外側から足をかける外掛けの形で三所攻めを決めました。
いっぽう舞の海は、相手の股の内側から足をかける内掛けで三所攻めを決めました。
どちらにしても、小柄な力士でなければできない技ですし、 11月17日の取り組みを生で見ていた方はとてもラッキーだったと思います。
まとめ
今回は、実に26年ぶりに飛び出した非常に珍しい決まり手『三所攻め』について紹介しました。
解説者は言うように、こういった決まり手が飛び出せばお客さんが盛り上がります。
白鵬のように盤石で強い力士もいいですが、小兵力士が時折見せる珍しい決まり手もまた大相撲の醍醐味です。
石浦、炎鵬などの力士が今後も奮闘してくれると、大相撲は更に盛り上がると思います。