フィギュアスケート女子のエースとして活躍してきた坂本花織さんの、突然の来季限りでの引退表明。
多くのファンが驚いたこのニュースですが、その引退の理由は何なのでしょうか。
本人が語った言葉や、引退後のプラン、そして彼女を取り巻くフィギュアスケート界の状況から、その背景を探ります。
当記事を読めば、坂本花織さんが引退を決意した公式な理由と、そこから考えられる様々な背景を知ることができますよ！
坂本花織が語る引退理由は「良い区切り」
本人が語った引退への想いと決意表明
2025年6月20日、多くのファンが見守る中、坂本花織さんは自身の競技人生について大きな決断を口にしました。
この日、地元・神戸市に新しくオープンした通年型アイスリンク「シスメックス神戸アイスキャンパス」の記念イベントに出席した坂本さん。
その後の取材で、2026年2月に開催されるミラノ・コルティナ五輪を最後に、来シーズン限りで現役を引退する意向をはっきりと表明したのです。
坂本さんは、「競技人生は（残り）１年を切っている。
これをキリにした方がいい区切りかなと思った」と、冷静に、そして実直に自身の想いを語りました。
この言葉からは、衝動的な決断ではなく、長い時間をかけて熟慮を重ねてきたことがうかがえます。
ファンからは「分かってはいたけど…表明されると寂しい」という声も上がる一方で、「最後まで全力で応援したい」という温かいエールが数多く寄せられました。
また、ラストシーズンとなる来季のショートプログラム（SP）に、アンドレア・ボチェッリさんとサラ・ブライトマンさんの名曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を選んだことも明かしています。
この選曲について坂本さんは、「ここで終わりというよりは、次の自分に向けてみたいな感じ」と語っており、引退が終わりではなく、新たな始まりであることを示唆しているようです。
このように、坂本花織さんの引退表明は、自らが定めたゴールに向かって悔いなく走り抜けるという、彼女らしい力強い決意の表れだと言えるでしょう。
コーチ転身！次のキャリアを見据えた引退
坂本花織さんの引退表明で、同時に明らかになったのが引退後のプランです。
彼女は競技生活を終えた後、フィギュアスケートのコーチに就任する意向を示しています。
このニュースに、ファンからは「指導者になったら最強のフィギュア界のおかんに！」「面倒見の良さは折り紙付き」といった、期待に満ちた声が上がりました。
アスリートにとって、引退後のキャリアは非常に重要な問題です。
特にフィギュアスケートのように選手生命が短い競技では、早くからセカンドキャリアを考えることが大切になります。
坂本さんのように、多くの実績と知名度、そしてまだ体力にも余力があるうちに次のステージへ進むことを決断するのは、非常に賢明な選択だと考えられます。
彼女の明るい人柄や、後輩たちの面倒をよく見る姿は多くの人が知るところ。
その経験とキャラクターは、間違いなく指導者として大きな武器になるでしょう。
実際に、後進を育て、フィギュアスケート界全体に貢献したいという強い想いが、今回の「良い区切り」という引退の決断を後押しした大きな要因の一つなのかもしれません。
アイスショーへの出演を望む声も多く、引退後も彼女の活躍の場が多岐にわたることは間違いなさそうです。
つまり、坂本花織さんの引退は、単に競技者としての一線を退くというだけでなく、指導者という新たな夢に向かって歩み出すための、前向きで計画的なステップであると言えます。
坂本花織の引退理由、考えられる3つの背景
心身のピークとフィギュア界の世代交代
坂本花織さんの引退理由を考える上で、女子フィギュアスケート界特有の事情は無視できません。
一般的に、女子シングルの選手のピークは10代後半から20代前半と言われ、25歳となる坂本さんはすでにベテランの域に入ります。
ファンからも「フィギュア選手の選手寿命を考えれば良い引き際」という声が聞かれるように、長年トップレベルで戦い続けることの難しさがあります。
坂本さんは、4回転ジャンプのような超高難度の技に頼るのではなく、ジャンプの質の高さ、正確さ、そして誰にも真似できない力強くスピード感あふれる表現力で世界の頂点に立ちました。
このスタイルは年齢を重ねても勝負できる強みがある一方で、最高のパフォーマンスを維持するためには、想像を絶するトレーニングと自己管理が求められます。
「体の衰えは誰にでもやってくる」という現実の中で、全盛期の輝きを保ったままキャリアを終えたいと考えるのは、トップアスリートとして自然な感情かもしれません。
さらに、近年は国内外で次々と若い才能が開花しており、フィギュア界の世代交代の波は確実に押し寄せています。
自らが納得できる最高の状態で、次の世代にバトンを渡す。
その美学が、ミラノ・コルティナ五輪を最後とする今回の決断につながったのではないでしょうか。
心身ともに最高のコンディションで集大成の演技を披露したいという強い想いと、フィギュア界全体の流れを冷静に見つめた結果が、坂本花織さんにとっての「引退」という選択だったと考えられます。
ロシア勢不在によるモチベーションの変化
近年の女子フィギュアスケート界は、ロシア選手の国際大会への不参加という、これまでにない特殊な状況下にありました。
圧倒的な強さを誇った彼女たちの不在が、坂本花織さんの競技生活や引退の決断に、何らかの影響を与えた可能性も考えられます。
坂本さんは、この期間に見事な活躍を見せ、世界選手権3連覇という偉業を成し遂げました。
もちろん、それは彼女自身の血のにじむような努力の賜物です。
しかし、一部では「もしロシア勢がいたら、メダル獲得は難しかったのでは」という厳しい見方があるのも事実。
かつて4回転ジャンプを武器に世界を席巻したライバルたちの不在は、世界のトップを目指す上での目標設定に変化をもたらしたかもしれません。
アスリートにとって、強力なライバルの存在は、自らを高めるための大きなモチベーションになります。
最強の相手を倒して勝ちたい、という純粋な闘争心が、厳しいトレーニングを乗り越える原動力となることは少なくありません。
その最大のライバルがいない状況が長く続いたことで、坂本さんの心の中に何らかの変化が生まれたとしても不思議ではないでしょう。
世界の頂点に立ったからこそ、次なる明確な目標を見出すことの難しさに直面した可能性も否定できません。
絶対的なライバルがいない中で戦い続けることへの葛藤が、ミラノ・コルティナ五輪を競技人生のゴールと定める、今回の引退理由の一つの背景になっているのかもしれません。
坂本花織の引退理由は3つ！本人の言葉とロシア勢不在の状況から考察：まとめ
今回は、坂本花織さんの引退理由について、本人の言葉や様々な背景から深く考察してきました。
引退の最も大きな理由は、ミラノ・コルティナ五輪を自身のキャリアの「良い区切り」と定めた、坂本さん本人の強い意志にあることは間違いないでしょう。
そしてその決断には、指導者という新たな夢への挑戦という、非常に前向きな想いが込められています。
さらに背景を探ると、トップアスリートとして心身のピークを維持する難しさや、次世代が台頭するフィギュア界の流れも大きな要因と考えられます。
加えて、ロシア勢の不在という近年の特殊な競技環境が、彼女のモチベーションに影響を与えた可能性も否定できません。
これらの様々な要因が複合的に絡み合い、今回の引退表明に至ったのではないでしょうか。
彼女の決断を尊重し、ラストシーズンでの最高の演技を心から応援したいですね。